まずは「就活とは何か」を理解する
極端な話をすれば、これは自由ですので何百社でもエントリーしていただいて構いません。
たまに聞くのが、
「就活途中で志望業界の路線を変えたので、最初にさまざまな業界の企業にたくさんエントリーしておいてよかった」
という声です。
より多くの企業にエントリーができるのは就活序盤のみですので、可能な時に多数の企業への応募をしておけば、このように何かしらのトラブルにも対応できます。
ですが、事前にしっかりと自己分析をして自分の軸が固まっていれば、このような急な路線変更はしなくて済むはずです。
しかも「メールが来すぎて本命企業からの案内を見落としてしまった」との声の方がよく聞きますので、応募数にも限度があり、注意が必要です。
実際に採用試験を受けることができるのは、せいぜい10社~20社程度だと思ってください。
これ以上の企業を受けようとすると、一つ一つの企業に割ける時間が少なくなってしまいます。
結果として準備不足に陥り、逆に合格率が下がるという結果になってしまいますので注意してください。
履歴書とエントリーシートの違い
新卒での就職活動の場合、選考を進む過程で履歴書のエントリーシートの両方が必要になるのが一般的です。
これらは質問事項が被っていることがあったりするため、就活生は履歴書とエントリーシートが採用上でそれぞれどのような意味を持っているのか理解できないことが多いです。
この違いを把握して、履歴書とエントリーシートそれぞれに最適な書き方をすることで、内定を勝ち取る履歴書・エントリーシートを書くことができます。
書類としての価値が違う
まず、書類としての観点でみると、履歴書とエントリーシートではそれぞれが持つ「重要度」に大きな違いがあります。
履歴書には捺印欄がありますが、エントリーシートには捺印欄がありませんよね?
それは、履歴書は入社した後も記録として残す必要のある、非常に大切な公的文書だからです。それに比べてエントリーシートは採用時にしか用いられません。
このことからもわかるように、書類としての価値でいうと、履歴書とエントリーシートでは圧倒的に履歴書の方が上なのです。
採用上での価値が違う
次に採用試験という観点で履歴書とエントリーシートの違いを見てみましょう。
履歴書は学校指定のもの、もしくは市販のものを用いますので、当然ですが企業側はその内容に関して操作することができません。内容のうち大半は学歴や持っている資格などで埋まってしまい、志望動機等に関しても記述するスペースが少ないのが一般的です。
このことからもわかるように、採用試験において応募者の人物像を見る、という観点ではエントリーシートの方が重視されます。
ですが、だからと言って履歴書をないがしろにすると絶対に内定を勝ち取ることはできません。詳しくは下で解説します。
履歴書とエントリーシートで質問が被っている場合
よく質問されるのが、
「履歴書とエントリーシートで内容が被る場合は同じ文章を書けばいいのか」
というものです。
全く同じ文章を書く、という方もいらっしゃいますが、それは非常にもったいないことです。
就職活動における書類選考というのは、限られたスペースで、文字を使ってしか採用担当にアピールすることができません。
この場合はアピールする場所が増えたと考え、工夫して書くようにしましょう。
具体的には、「同じアピールポイントに関して違うエピソードで書く」のがいいと思います。
履歴書とエントリーシートの書き方の違い
履歴書とエントリーシートでは文章の書き方にも違いがあります。
前述しましたが、履歴書はエントリーシートに比べて記入することのできるスペースに限りがあります。したがって、簡潔に言いたいことのみを述べるのが重要です。
エントリーシートは長くことも可能ですが、だらだら書くと読み手が最後まで読んでくれません。したがって結論から先に書くようにしましょう。
・履歴書の書き方 ⇒ 簡潔に言いたいことのみ
[例]
~~な経験があり、その中で私は○○ができるようになりました。
それを貴社で生かして△△したいです。
・エントリーシートの書き方 ⇒ 結論を先に書き、そのあとに解説を加える
[例]
私は○○ができます。それを生かして△△したいと考えています。
これは私の~~な経験から培われたものです。
~~をするにあたって、××なことがありましたが、
それを乗り越えるために私は~
基本的な履歴書とエントリーシートの書き方
すでに上で述べましたが、採用試験場でよく読まれるのは履歴書よりもエントリーシートの方です。
この話をすると、たまに「だったら、履歴書はある程度手を抜いてもいい」と考える方がいます。
これは非常に大きな間違いです。
すでに述べましたが、履歴書は入社後も保管される非常に重要な公的書類です。
そのような書類が適当に書かれていたり、しわくちゃで出されたら、採用担当は「この人には大事な仕事は任せられない」と考えます。
エントリーシートがあなたの中身なら、履歴書はあなたの顔です。
また、ダメな履歴書に非常に多いのが、「伝わることを前提に書いている」履歴書です。
「読む人は自分のことを知らない」という点にも配慮が必要です。
自分のことを知っている人なら伝わることも、他人には全く伝わりません。
たとえば
「私は継続力があります。毎日休まずに部活に参加して練習を頑張りました。その結果、大会でベスト8に残ることができました」
このような文章ですと、
・何部だったのか
・何の大会だったのか
・ベスト8がどの程度すごいのか
といった情報が全く分かりません。
嘘みたいに思うかもしれませんが、このような履歴書・エントリーシートは本当に多いのです。
内定の出る履歴書の書き方
最も大切なことは、丁寧に書くことです。
字が汚くても構いませんので、自分ができる限界まで丁寧に、間違いが無いように書きましょう。
字から丁寧さを感じられなかったり、折れていたりする履歴書は、それだけで不採用になります。
「字が汚いだけで落ちる」というのが信じられないかもしれませんが、これは本当の話です。
なぜそのようなことになるかというと、書類選考の時点では多くの場合、採用担当にとって履歴書やエントリーシートが応募者の人間性を見抜く唯一の手段だからです。
「こんな適当な字を書くようじゃうちの会社への志望度は低いんだろう」
「折り目を付けるような不注意さじゃ仕事でもミスを連発するだろう」
「学歴の年度が間違っている。自分の経歴すら把握できないくらい頭が悪いのか」
「誤字脱字、単純なミスが多すぎる。確認などはしないんだろう。大切な仕事は任せられないな」
採用担当は上記のように考え、履歴書を見て不合格にします。これを避けるためにはどうすればいいのか。
まず履歴書は多めに買ってください。そして、買ったら一番最初に捺印してください。
おそらく履歴書は一袋に5枚程度入っていると思いますが、そのうち1枚か2枚はハンコがかすれたり曲がったりしてしまいます。
少しもったいないですが、これらの履歴書は使わないようにしましょう。
「そんな小さなこと気にしてるわけない」
と思うかもしれませんが、実際にはすでに述べたように、めちゃくちゃ気にしています。
同じ評価の人がいたときに、そこが最後の分かれ目になるかもしれません。可能な限り美しい履歴書を目指しましょう。
普通ですと、すべて記入を終わらせて最後に捺印する人が多いと思いますが、一生懸命すべての項目を埋めた後にハンコで失敗したらすべて水の泡です。
最初に捺印するのは、それを防ぐためです。
内定の出る履歴書の書き方
まず最初に、守るべき3つの要素があります。
それが下の3つです。これらを満たすように書く、というのが「落ちない」ための最低条件だと思ってください。
1)読みやすい
2)わかりやすい
3)納得できる
具体的に言うと、「ごちゃごちゃと書きすぎない」
「回りくどい言い回しにしない」
「論理的に説明できている」という感じですね。
それでは、ここから「受かるために注意すべきポイント」を具体的に説明します。
アピールポイントが明確
何か所もアピールポイントがある場合も、極力1つに絞りましょう。
そうすることで、複数のアピールポイントに散らばっていた力を1つに集中し、面接官の心に刺さるようになります。
これは、能力等を一つに絞るのではなく、言いたいことを一つにまとめるということです。
(例)
「私は部活で部長をやっていたため、責任感があります。練習メニューなども私が考えていたので、計画性もあります。観察力を発揮して部員の様子も良く見るようにしました。結果的に私のことを部員は慕ってくれました。私はそうやってリーダーシップを養いました」
↓
「私は部活で部長を務めており、その中でリーダーシップを養うことができました。練習メニューを考えるのも部長の仕事だったため、部員の成長に責任を持たなくてはなりませんでした。ある程度の目標を定め、それを達成するにはどんな練習メニューを建てればよいのかを常に考えていました。日々の練習の中でも部員の様子をよく観察し、無理のしすぎや怪我などが起きないように注意しました。私のそのような行動を部員が認めてくれたおかげで、部を良くまとめることができたのだと思います」
前者だとさまざまなアピールポイントが出てくることで、まとまらなくなっている印象をうけます。
しかし後者だと同じ分だけ能力を出してはいますが、それらを「リーダーシップ」の内の1つというように書くことで、文章に統一感が出ています。
結果が明確
これはすでに少々述べましたが、結果が明確でなければ他人はそれが何を意味しているのか理解できません。
例えば、「水泳を3年間続けました」を結果とすると、少々弱いです。
「水泳を3年間続けて自己ベストを○秒更新しました」
などとすると、大会での入賞記録等が無くても、幾分か結果をイメージしやすくなります。
可能な限り、数字や記録を混ぜることで読み手がイメージしやすい具体的な文章を心掛けましょう。
起承転結があること
自分のエピソードを一つの物語として語れる形にします。
具体的に言うと、試行錯誤の経験を混ぜ込むことが重要です。
「私は○○をやっていました。ある日△△という問題が生じて☆☆な窮地に立たされました。しかし私は□□することでそれを解決できました。その結果私は××となり、~~することができるようになりました。」
この様に短い物語を書くことで、読み手に「読ませる」文章を書けるようになります。
「面白い小説を読んだときに、どんどん続きが気になって一気に読み終わってしまった」
こんな経験をした人はたくさんいると思います。
履歴書やエントリーシートも同じで、「読ませる」履歴書が書ければ採用担当は続きが気になって、あなたに興味を抱くようになるのです。
企業の意図を読むこと
例えば企業は「学生時代に頑張ったことを教えてください」という質問をする際、本当にあなたの頑張った経歴を聞きたいわけではありません。
企業が聞きたいのは、あなたが「その経験から何を得たのか」「問題解決能力やコミュニケーション能力があるか」「論理的に人に説明することができるか」などです。
極端な話、内容はどうでもよく、上記のことを満たすことができれば落ちることはありません。
企業側が何を知りたくてその質問をしているのかを考えて書くことが重要です。
面接官に「この人に会ってみたい」と思わせる
読み手に「この人から直接話を聞いてみたい」に思わせることができれば、面接に呼んでもらえます。つまり、書類審査を通過することができるのです。
しかも面接時も向こうはすでに自分に興味のある状態ですし、話す話題も自分がすでに考えたESの内容になってきますので、非常にやりやすくなります。
コツは、ここまでに挙げた4つのポイントを守ることです。